ギャンブル関連書籍

ギャンブルで勝つためには読書は最重要です。マリア・コニコヴァやダニエル・ネグレアヌが読書家であることは良く知られています。精神を涵養するためだけに読書をするのではありません。読書によって、生還してホームベースをしっかり踏むことが可能になるのです。

ギャンブラーたちは遥か昔からインスピレーションや逸話、または幸運の徴を文学に求めてきましたが、そうしたこととは別の有用性が文学には有ります。以下に、素晴らしいストーリーというだけに留まらず、自身のゴールに到達するために必要な動機付けを促すような書籍リスト、決定版を作成しました。

このリスト内の書籍は、スポーツベッティングが運頼みの娯楽なのか、カジノがプレイヤーに打ち負かされ得るのか、カジノは最終的には必ず勝つのかといったことについて議論しています。

  1. ザ・コンプリート・ゲームスター

「ザ・コンプリート・ゲームスター」という書物が記された頃、ギャンブラーたちはランダムな事象の予測に数学が有用かもしれないと気付き始めたばかりでした。文献に重要な数学的理論が現れ始めるのはさらに数十年後のことです。

ギャンブルにおける理論は依然未発達で、競争力を持ったプレイヤーがプロとなり得るような道筋はありませんでした。実際、英国の詩人のチャールズ・コットンよるこのハンドブックでは、勝負は神意に左右されるものとされ、確率の理論に根差した方法論よりもイカサマに関する知識の方が幅を利かせていた時代のギャンブルの様子が描かれています。

コットンはギャンブルを擁護しつつも、特に「周囲から仲間が減って、疲労で自らの注意力も散漫になった時」には、不正なサイコロやイカサマ師に気をつけるようにといったプレイヤーたちへのアドバイスも怠っていません。19世紀の英国の小説によく登場するピケットやバセット、ハザードといったカードゲームについてもこの書籍から学ぶことが可能です。

インプリント・ソサエティによる1970年版の「ザ・コンプリート・ゲームスター」では、この書籍の元々の古風な綴りがそのまま使用されており、17世紀の英国の雰囲気が堪能できます。

  1. ジョン・スカーンのギャンブル完全ガイド

毎年出版されるギャンブル関連書籍の大半はいわゆる「ハウツー」本ですが、このジョン・スカーン(実際にはスカーニーと発音します)著の1冊にはかないません。1985年に亡くなったスカーンは、世界的なギャンブルの権威として、また、最高のカードマジシャンとして広く知られていました。

この完全ガイドでは、ギャンブルのほぼすべての要素について百科事典的に網羅し検証しています。歴史、ルール、勝つためのテクニック、さらにはギャンブルに関わる数学やイカサマの方法まで記されているほどです。

20世紀中盤のニューヨークで、マフィアのバグジー・シーゲルとウィリー・モレッティが2つある角砂糖のいずれにどのハエがとまるかに5,000米ドルを賭けたといった、思わず惹き込まれるような逸話も数多く語られています。

  1. ロール・ザ・ボーンズ

ネヴァダ大学のゲーム研究センター長のデイビッド・シュワルツによる「ロール・ザ・ボーンズ」は単なるギャンブル史以上の著作です。この書籍には、我々の祖先が洞窟からの外出によって得られるメリットと洞窟外の飢えた虎によって生じるリスクを推量して行動を決定していた先史時代以来、ギャンブルがどのように社会に影響を与えてきたのかが解説されています。

生存のためにリスクを取るのが必須だった時代が人類史の大部分を占めているのです。また、この書籍は、サイコロやトランプ、宝くじその他の種類のギャンブルの歴史を幅広く紹介した資料としても非常に高い価値があります。

18世紀に国営宝くじの裏をかいて900万仏フランを勝ち取ったヴォルテールや、バーデン=バーデンのカジノで文無しとなったドストエフスキーといった歴史的人物たちのギャンブルにまつわる生き生きとした逸話も満載されており、「ロール・ザ・ボーンズ」は読み物としても質の高い書籍です。