スリラー

歯切れの良い展開、そして主人公が自らの機略と勇気だけを武器に底知れぬ力を持った手強い敵と対峙する、そんな作品が典型的なスリラーです。多くの場合、サスペンスやクリフハンガーといったライティング技法が駆使されます。

スリラーと推理小説は時折混同されてしまいますが、両者は物語の構造自体が異なるとお考えください。スリラーでは、主人公は、既に発生した犯罪の捜査を行うのではなく、敵の計画を阻止しなければなりません。また、推理小説よりも大規模なストーリーとなる傾向があります。

スリラーで頻出するのは、犯罪といっても連続殺人や大量殺人だったり、テロ行為や暗殺、国家の乗っ取りなどで、主人公はそうしたことを阻もうと全力を尽くすのです。ほとんどのスリラー作品では、危機や暴力などが、対決物語上の重要な要素となっています。